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端午の節句に厄払いの意味を込めて用いられる菖蒲。

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菖蒲湯で無病息災を祈願

●むかし話「食わず嫁」

端午の節句に厄払いの意味を込めて用いられる菖蒲。その菖蒲にまつわるむかし話をご紹介します。

むかしむかし、あるところに貧乏なお百姓の男がいた。いつになっても嫁をもらわないので村のものがどうしてかと尋ねると「嫁をもらえば飯を食う、飯を食わない嫁がいたらもらってもいい」という。そこへばあさまが「飯を食わない」という若くてきれいな娘を連れてきた。男は大喜びで娘を嫁にもらった。娘は本当に一粒も米を食わず働き者で、2人は幸せに暮らしていた。ところがある日、男は米びつのなかの米が減っていることに気がついた。自分が留守のあいだに食べているに違いないと思った男は「山へいってくる、帰りは遅くなるよ」といって、出かけるふりをして家のなかを覗いていた。すると娘は3升もの米を炊いて、全部握り飯にすると、頭がぱかりと割れて大きな口なり、そこへ握り飯を放り込んであっという間に食べてしまった。驚いた男は隠れていたところから転げ落ち、娘に見つかってしまった。娘は「おらの正体見たなー、お前も食ってやる」と山姥になって追いかけてきた。男は叫び声をあげて逃げたが、菖蒲の根っこに足をつまずいて転んでしまった。男がもうだめだと恐る恐る目を開けると、不思議なことに山姥は地団太を踏んで悔しがり逃げてしまった。男のまわりには菖蒲の葉っぱが青々と生い茂っていたんだとさ。

むかしから菖蒲が厄除けに使われていたことが分かるお話ですね。ちなみに、「食わず嫁」はここで紹介したもの以外にも、ストーリーが異なるものがいくつかあるので、それぞれの違いを比べてみるのも楽しいかもしれませんね。

●菖蒲湯で厄除け●

端午の節句には、菖蒲湯につかり1年間の無病息災を祈願する風習があります。これは男の子だけでなく、老若男女揃っての習慣です。
菖蒲は昔から魔よけや厄除けといった場面で活躍してきました。古来中国では「蘭」の湯につかり、菖蒲のお酒を飲むことで、端午の節句の厄除けをしていましたが、日本ではこれが変化し菖蒲の葉をお湯に入れる菖蒲湯の習慣になったとされています。地方によっては一緒に「蓬(よもぎ)」を入れる習慣もあります。
菖蒲はサトイモ科の「菖蒲」とアヤメ科の「花菖蒲」が混同されがちですが、お湯によいとされるのはサトイモ科の「菖蒲」。ガマのような花をつけます。古くから整腸作用のある漢方薬として使用されていて、芳香性に優れ、体の表面から病や邪気を吐き出してくれる効果が期待できます。
菖蒲湯の作り方は、菖蒲を根元の紫の部分から刈り取り、束ねてお湯のなかにいれるだけ。葉の表面がざらざらとして強いので、ばらのまま湯船に入れるとちくちくして不快です。小さなお子さんの肌を切らないためにも、束にして入れましょう。さわやかな香りに包まれた癒しのひとときを過ごせます。
こどもの日が近づくと、銭湯やお風呂屋さんで菖蒲湯を特別に実施している場所がたくさんあります。ご近所のお風呂屋さんに足を伸ばして、気軽に楽しんでみてはいかがでしょうか?

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